心が折れたときのこと
誰もが進路に悩んだと思います。わたしも例に漏れず悩みました。ひどく貧乏でしたから、当初は高校進学すら躊躇ったものです。
そんなわたしですが、近所に格安で通える定時制の高校が新設されたことにより、高校を卒業することはできました。
その後、祖父に後押しされ、夢だったWebデザイナーになるべく、PC系の専門学校に進学することになりました。が、正直、わたしは不安でいっぱいでした。これから、人生という大航海を、自分という小さな舟で突き進んでいくのが、不安でたまりませんでした。
そこに重なってくる、奨学金。なれるかもわからない夢を追いかけ、返せるかわからない借金をし、それを10数年間かけて返すのか。
いざ入学してみると、お金のやりくりのことで頭がいっぱいになり、精神状態はひっ迫していきました。家が極度の貧乏だったので、お金のことでは一切頼れないし、それなのに自分で問題を積み上げていく状態が、さらに自分を苦しめていきました。
周りの、色んな人に止められましたが、休学でなく、退学を選びました。
この決断を、間違いだとは今でも思っていませんが、できることならわたしだって、卒業したかった。
でもできなかった。誰のせいで?わたしが勝手にパニクって勉強どころじゃなくなってしまったせいで。
初めて、家庭以外で、自分の中に問題ができました。
今まで、自分しか頼れないと思っていたのに、蓋を開けてみたら、わたしなんて、なにもできない、ちっぽけな人間だった。
自分のキャパの小ささに愕然とし、絶望し、自分を恨みました。
うつ状態になり、なにをする活力もなく、しかばねのように、ただただ日々を過ごしました。夜は眠れないので、朝に床に就き、夕方に目が覚める。そんな生活でした。
せめて何かをしないといけない。
人として、社会人として。学生ではなくなったんだから。
駆られるようにバイトをして、でも精神状態がめちゃくちゃで続けられるわけがなく、失敗しては自分を責めて、責めて、責めて、とことん、自分を嫌いになりました。
こんなに、何もできない、何も成し得ない、最低で、生きてる価値がない。生きてることが、罪なのだ。生まれたことが、間違いだったんだ。
心は、ぼろぼろになっていきました。